甘噛みは子犬の時期にじゃれたり遊んだりして噛みつく行為のことを言います。
生後4~6か月のころは歯の生え変わりの時期なので歯茎がむず痒くなり、なんでもかじるようになります。
甘噛はほとんどの犬は成犬になると自然とやめることが多いですが、そのまま放置しておくことはいけません。
成犬になってから本気噛みになり、他人や他の犬に噛み付き、傷つけることになったら大変です。
子犬の甘噛みであっても「噛むことはいけない」ということを飼い主が教えてあげる必要があります。
子犬の甘噛みは放置しない
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噛まないように育てる
●遊んでいるときに噛んでくる
飼い主とおもちゃなどで遊んでいるときに、手まで噛んでくることがあります。手を噛むと遊んでもらえると勘違いをしていたり、何かを要求したりしている場合です。
噛みそうになったり、少しでも噛んだ場合は遊びをやめてしまいましょう。噛む状況をつくらないようにすることが大事です。
●触ると噛んでくる
ブラッシングや爪切、歯磨きなどのお手入れのときに噛むことがあります。
お手入れの時間が短くなるように、今日は右前脚だけを爪切り、明日は左前脚を爪切りというふうに分けてお手入れをします。
おやつを食べさせながらしてもいいでしょう。
体を触られるのがいやなことと思わせないようにすることも大事です。
遊んでいる途中で体の部分を触ったり、触らせてくれたことに対してほめたりするようにしましょう。
●人を怖いと思い、噛む
人が怖いと思い、警戒して噛んで威嚇することがあります。
そんなときは人からおやつをもらうようにしたり、人通りの多い場所に連れて行ったりして、人に対してよいイメージをもたせるようにしましょう。
少しずつ慣らしていくようにしていくと、人は怖くないとわかっていきます。
噛むことをやめさせる
噛まれたら痛いということを教えます。
噛んでもいいおもちゃを与えて、一緒に遊びます。
おもちゃを動かしたり投げたりして、そのおもちゃは噛んでもいいことを教えます。
子犬は「おもちゃを噛んでいるときは遊んでもらえる」と学習します。
それと同時に、犬は動くものに反応するという性質があるので、飼い主の動く手や足に反応して噛んできます。
そんなときは、次のような方法で噛むのをやめさせましょう。
●噛んだら遊びをやめる
子犬と一緒に遊んでいるときに噛んで来たら「痛い!」と叫んで遊びをやめて、子犬から離れて無視をするようにします。
噛まれて 変に騒いだりすると、犬を喜ばせることになってしまうので注意します。
それを何度か繰り返すと、「おもちゃを噛んだときは遊んでもらえるけど、手や足を噛むと遊んでもらえない」ことを学習します。
●噛まれた指や手を口の中に押し込む
噛まれた指や手をそのまま子犬の口の中にぐっと押し込みます。
そうすると子犬は「オェッ!」となり、気持ちが悪くなって噛まなくなってきます。
部屋の中のものを噛んでしまうときには
部屋の中には、家具やスリッパなどを噛んでしまうことが多いものです。
それ以外にも、電気コードなどの噛むと危険なものもあるので注意が必要です。
子犬がいる部屋の中は噛まれては困るものは置かない、または隠しておくようにします。
家具など移動できないものは、犬が嫌いなにおいのするスプレーがあるので、それをスプレーしておきます。
たくさんスプレーをしすぎると部屋中が嫌なにおいになり、子犬がストレスを感じてしまうので注意します。
飼い主が留守の時には、サークルやケージの中に入れておくのが安心です。
部屋の中に自由に遊ばせるときには、必ず飼い主や家族のものが付き添っているようにしましょう。
噛んだら罰をあたえるは逆効果
噛まれたら強くたたいたりして罰をあたえると、もうこの人には噛まなくなるかもしれません。
でも他の人、特に子どもやお年寄りなどの罰を与えないような人には噛むかもしれません。
罰をあたえただけでは、子犬は「どうすれば遊んでもらえるのか、ほめてもらえるのか」が学習できません。
子犬の性格が支配欲が強いと、罰に対して反抗してうなったり噛み付いたりするかもしれません。
人間不信になって、人間が手を近づけただけで逃げるようになるかもしれません。
そして成犬になってから手に負えない問題犬になることも考えられます。
罰をあたえるのは一時的には効果があるかもしれませんが、しつけとしては逆効果になってしまいます。
本気噛みになったときには
子犬の甘噛みを放置していたり、成犬になってから飼いはじめたりした場合は、本気で噛むことも考えられます。
噛むことは犬の防衛本能からおきるのがほとんどです。
そして、飼い主との主従関係ができていないために、犬は自分が優位にいると感じてしまうことも原因です。
防衛本能による噛み付きは、恐怖を感じたり危害を加えられたりしておきます。
飼い主がリーダーという主従関係ができていないと、犬は防衛本能により、他人や他の犬に噛み付くなどの攻撃がでてきてしまいます。
飼い主との信頼できる主従関係をつくり、飼い主がリーダーになることが重要です。
時間をかけて毅然な態度で犬と接し、リーダーであることを意識して行動するようにしましょう。