フィラリアとは、蚊によって媒介される細長いそうめん状の寄生虫で、別名を犬糸状虫といいます。メスの場合、体長が30cmにもなります。
フィラリア症は、その成虫が犬の体内に入り込み、右心室や肺動脈に住みついて、循環器障害・呼吸障害・肝腎疾患等を起こす恐ろしい病気です。
犬への感染が多いですが、猫やフェレットにもフィラリアは感染します。
フィラリア症とは
フィラリアの感染経路
フィラリアに感染している犬の血を蚊が吸うと、ミクロフィラリアという血液中の子虫を一緒に取り込んで、蚊の体内に入り込みます。 その子虫は、蚊のストロー状の器官に移動し、犬に吸血したときにその刺口から犬の体内に入り込みます。 子虫は約2週間で発育が完了して、感染能力のある感染子虫になります。感染子虫は感染後、約6~7ヶ月で成熟虫になり、約5~6年間は生存します。
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フィラリアに感染したときの症状
フィラリアに感染したときの症状は、感染初期や少数寄生の場合はほとんどみられませんが、寄生後、年月が経つと症状があらわれてきます。 通常は慢性経路をたどることが多いですが、急性症になることもあり、その場合は数日で死に至ることがあります。
■慢性症状- ・ゼーゼーと咳をする
- ・痩せてくる
- ・運動をいやがる
- ・腹部が膨らむ
- ・毛づやがなくなる
- ・貧血気味になる
- ・尿が赤くなる
- ・虚脱症状
フィラリアの治療方法
- ・薬
- フィラリア症とわかったときには、薬によって虫体を死滅させるようにします。
- 多数感染の場合、薬によって大量の虫を死滅させると、虫体が肺動脈に詰まって死につながるおそれがあるので、注意が必要です。
- ・保存療法
- 今いるフィラリアの成虫が寿命(5~6年)がきて死ぬまで待ちます。
- 成虫が子虫を産み続けるので、子虫駆除のための薬を年間投与します。
- ・外科手術
- 急性症のフィラリアの場合、外科手術で取り出します。首の静脈から器具を入れて、レントゲンを見ながら心臓内や肺動脈内に集まる虫を取り出します。
- 心臓に全身麻酔をかけるので、老犬や状態がよくない犬は危険がつきまといます。
フィラリアの予防薬
毎月1回、予防薬を飲ませます。錠剤、チュアブル、顆粒の飲み薬があります。
それ以外にもスポットタイプの予防薬があります。
予防薬と言っていますが、フィラリア症の予防のために体内に入ったフィラリア幼虫を駆除する薬です。
予防薬によって幼虫が成虫になるのを防ぐことができます。
最終月は蚊がいなくなってから1ヶ月後に投与することが重要です。